その四。

僕の同級生、広島さんはクラスの人気者。
だけど僕にだけよく分からない質問をしてくるのが玉に瑕。

『湯川くん』
『何？広島さん』
『アンパン、のこったのこったって、なんで角界のお話でカープのファンが盛り上がってるのかな？』
『そういえば明日初日だけど、きちんと調べれば防げたケアレスミスだね。それより「角界」という言葉遣いに若干驚いたよ』
『そういえばお相撲さんはヘルメットかぶらないもんね！』
『自分なりの回答が見つかってよかったね』
『それとね、湯川くん』
『何？広島さん』
『ジャ○ットってさ、絶対バカだよね？』
『かなりな直球だね。何でそう思うの？』
『だって、スライリーの方が何倍も面白くて、いろんなパフォーマンスでみんなを楽しませるじゃない？』
『それはどうかな。彼は彼なりに、ファンの皆様のために懸命だよ。12球団、どのマスコットも素晴らしい存在だよ』
『・・・正論好きの湯川くんなんて、だいっキライ！』
『（あわてて）い、いやね。でも、あのウサギ、スライリーとちがっていつも口あけてて、馬鹿みたいだよねっ！』
『だよね！やっぱり湯川くんだけはわかってくれるんだ！』
（友達に呼ばれる広島さん）
『あ、そうだ！今日は由宇ちゃんとカラオケいくんだった！じゃあねぇっ！（去っていく広島さん）』

そう、僕の同級生、広島さんはクラスの人気者。
だけど僕にだけよく分からない質問をしてくるのが玉に瑕。

でもなんで、僕は自分の正論を曲げちゃったのかな？