広島さん。

某カープ好きグループにてだらだら書きました。

その十。

僕の同級生、広島さんはとなりのクラスの人気者。
だけど僕にだけよく分からない事をいいにくるのが玉に瑕。

(学校のカフェテリアのすみっこで背中をまるめて肉うどんライスをすすっている湯川くんの背中に、元気な声)

『湯川くーん!!』

(ウサギの残酷焼き定食を持って近付いてくる広島さんと親友の由宇ちゃん)

『あ、広島さん。岩国さんも』

(湯川くんの向かいに座った広島さんと由宇ちゃん)

『座っていい?』
『座ってるよね』
『湯川君、教室でもカフェテリアでもスミイチだよね!』
『ほめられてないとか、そういう疑念が一切わかないよ』
『ところでさ、湯川くん、思ったんだけど!』
『いちいち声が大きいよリコちゃん。湯川君がゆっくり食べられないじゃ・・・』
『(由宇ちゃんの言葉を遮り)家族っていいよね!』
『広島さん、岩国さんの話きいてた?とはいえ諸手を挙げて賛成だよ。でも何で急にそんな事?』
『昨日、お父さんがエルドレッド退団でだだっ子みたいになって、お母さんにたしなめられた話ししたじゃない?』
『たしか、お母さんがお父さんにカセットコンロを投げつけたんだよね。(たしなめる)の新しい意味が見つかったよ』
『そのせいでお父さん、今日から三日間、仕事お休みなの!』
『(傍らの由宇ちゃんを見て)・・・岩国さん。こういうピンチの切り抜け方は?』
『(しれっと目線を外して)ザキどころか、江夏でも泣いちゃうよね』
『(二人の会話に気付かず)でもね、お母さんさすがに反省して朝からお父さんにつきっきりなの!もー見てるこっちが恥ずかしくなるくらい!』
『・・・なるほどね。雨降って、地固まるだね』
『なんでズムスタのグラウンドキーパーさんの話なの、湯川くん?』
『何でもないよ。でも、素敵なご両親だね』
『うん、自慢の家族だよ!』
『(ぼそりと)・・・家族っていえばさぁ、湯川くん、リコちゃん。家族の一員のあの人、大丈夫なのかな?』
『岩国さん?』
『由宇ちゃん!』
『別にネガティブなんじゃなくて、5年30億って』
『あ、由宇ちゃん!向こうでヨシヒコさんがお好み焼き食べてるよ!!』
『えーっ!!サインもらわなきゃ!!(走り去る由宇ちゃん)』

(走り去る由宇ちゃんをいたずらっ子の目で追う広島さん)

『前向きが一番だよね、湯川くん?』
『・・・そ、そうだね』
『じゃあねぇ!(お盆をもって下げ口に行く広島さん)』

僕の同級生、広島さんはとなりのクラスの人気者。
だけど僕にだけよく分からない事をいいにくるのが玉に瑕。

あ、うどん伸びてる・・・。