その十二。
僕の同級生、広島さんはとなりのクラスの人気者。
だけど僕にだけよく分からない事をいいにくるのが玉に瑕。
昨日は広島さんに云いすぎた。謝りに行かないと。
(前回を参照)
あれ、いない?
『岩国さん、広島さん知らない?』
『(ニヤニヤしながら)聞いたよぉ、湯川くん。やっちゃったねぇ~』
『どこにいるのさ?』
『授業終わってすぐ湯川くんのクラスに行ったよ。会わなかったの?』
『え?』
(そこへ戻ってくる広島さん)
『湯川くん・・・』
『広島さん・・・』
『(二人同時に)昨日は、ごめんなさい!!』
(異口同音に驚く二人)
『(ニヤニヤしながら)えぇ、責任審判の岩国です。先日のプレーに対してですが、両者ともに落ち度なしと見なして、このまま試合続行といたします』
(岩国さんを凝視する二人)
『じゃね。屋上でマエケン体操やってくる』
(何とも言えない間)
『じゃ、今まで通りでいいよね?湯川くん』
『こちらこそだよ』
そう、僕の同級生、広島さんはとなりのクラスの人気者。
だけど僕にだけよく分からない事をいいにくるのが玉に瑕。
このあと彼女は。
湯布院の松山がどうしても土建屋にしか見えないとか、フランスアとフランスワとどっちで呼べばいいか迷ってるだとか、田中は絶対「ガキの使い」のハイテンションベストテンに出てハッピーボーイをやらなきゃとか。
どうでもいいことを延々と話した。
ほっとする面倒くささ。