その三十七(大瀬良くん、おめでとう!!・・・だけどスペシャル)。
僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。
大瀬良の結婚。
おめでたいけど、広島さんの夢が砕けたという事。
何かフォローしたいと思って連絡するけど、一切繋がらない。
思い切って会いに行こう!
何が出来るかは分からないけど。
と。
途中で広島さんの親友に出会った。
『岩国さん!!』
『何、湯川くん・・・って、リコの事だよね』
『今、家に行くところだったんだ』
『偶然だね、アタシも』
『岩国さんがいれば心強いよ』
『少なくともストーカーには勘違いされないよねw』
『・・・』
『冗談だって!ルーリーさんと湯川くんは親子同然だもんね!』
『そ、そんな事はないけど・・・それより大丈夫かな?広島さんの夢は大瀬良さんのお嫁さんだったし』
『だいじょばないよ、もう人間ってこんなに泣けるんだっていうくらい泣いて、食事もロクにとらないってご両親が心配してて・・・』
『そうだよね・・・』
(広島さんの家の前に来る湯川くんと岩国さん)
『そういう泣き虫リコちゃんは、昨日までの話しで』
『!?』
(不可解な顔をする湯川くんに構わずインターホンを押し、大きな声の岩国さん)
『リコーっ!湯川くんと遊びに来たよぉ!!お土産はアタシ達の笑顔だよぉ!!』
(数瞬の後、勢いよく開くドアと飛び出してくる広島さん)
『由宇ちゃーん、湯川くーん!!何よりのお土産だよぉ!!(二人を同時にハグする広島さん)』
広島さんの目はパンパンに腫れていた。
けど、いつも通りの笑顔で僕らを家に上げてくれて。
長野の話しや、球字苑の話しをして。
パワプロ(広島対決)をやって。
いっぱい笑って帰った。
そして。
大丈夫だな、と思って。
最後に一言、あえて大瀬良のことをきいてみた。
そしたら広島さんは。
『今回は私の負け!!でもしょうがないよ、あんな素敵な人だもの。次は負けないから大丈夫!!』
僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。
次って誰だ?
まぁ、立ち直ってるからいいか・・・。