広島さん。

某カープ好きグループにてだらだら書きました。

その四十。(広島さん、いよいよ草野球チームも始動!スペシャルその1)

僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。

 

いよいよカープも沖縄入り。
という事で、僕、湯川の所属チーム『広島ルーリーカープ』(略称広島ループ)もキャンプインするわけで。

とはいっても皆さん仕事や学業があるから。
近所のグランドを数日貸し切りにして、来られる人間は来られる時間にそこで練習していいよ、という独特なシステムだ。

あ、その前にループに若干人事の変更がありました。
今シーズンより広島さんのお祖父ちゃん、鯉太郎さんが監督に就任。
選手兼監督だった広島さんの父、ルーリーさんは選手兼三塁コーチに。
それと、話しはキャンプ前のミーティングから始まるのですが・・・。

(ループのメンバーと湯川くん、広島さんの自宅でミーティング中)
『じゃあ、私の監督専任は異議無しだね(メンバーに確認する鯉太郎さん)』

『異議無し・・・悔しいけど(ルーリーさん)』

『賛成です。面白くなりますね(無表情に四郎さん)』

他のメンバーも異議無しで、首脳人事は終了。
引き続き鯉太郎さんの仕切りで話は進む。

『では、次の議題だ。来季に向けての我がチームの課題と補強だね。何か意見は?』
『若い子ほしいっ!!(チームのエース、よし子さん)』
『まぁ、それはそうなんだが、なかなかお眼鏡にかなう子がいなくてね・・・』

あの試合以来、我らが広島ループへの入団希望者は結構いたのだけど、その全員がループの練習(と、あまりの広島カープ好き)について来られなくなってやめてしまっていた。

『湯川くん。そんなにきついかね、ウチの練習は?』
『あ、いや、はい!きついです!』
『(その場にいた全員が爆笑)』
『でも、僕は楽しいから平気です!もっと上手くなりたいです!!』
『どうだい、父さん。あなたの息子は、いい選手を入れたろう?』
『だな・・・とはいえ今シーズンからはリーグ戦やトーナメント戦などにも積極的に参加していくつもりなんだ。投手にしても最低あと一人、野手も強化したいところだが』
『福岡さんのところは鷹一くんが準レギュラーになりましたし、「やわらか銀行」の杉本さんが、ウチの試合には必ず出場する事になってるみたいですね』
『よく知ってるね、三条くん』
『はい。昨日も引き抜きの電話が三回もありまして(苦笑)』
タイタンズの渡辺といい福岡といい、バカだねぇ!(ケラケラ笑う柳さん)』
『まぁ、正平くんがいなくなったらウチは大ダメージだからねぇ(寺内さん)』
『自分の強化じゃなく、相手の弱体化を狙うってな、気に入りませんな(鈴木さん)』
『まぁ、正平くんは心配ないさ。なぁ?』
『もちろんですよ、監督!ここでファーストやれないなら、自分は野球やめますから』
『ありがとう、正平くん。さて、話しは戻って新戦力の獲得なんだが・・・』
『あの、それなんですが(おずおずと)』
『なんだね、湯川くん?』
『ひとり、入団希望の選手がいまして』
『投手かい?(ピリピリしながらよし子さん)』
『野手ナノカイ、ユカワクン?(ドキドキしながらサントスさん)』
『野手です!実は、いつもの練習場所でアップしてもらってます!』
『えぇぇっ!?』

その頃、ループいつもの練習場では。

『いばったや~つはキライだぜぇ♪』

古い歌をうたいながらアップを続ける大柄な高校生と。

侍ジャイアンツだ!』
『正解!!』

何の歌かが分かる広島さんがいた。
僕の頼みで、グランドを使えるように先乗りしてくれたのだ。

『王者の星がぁ、おぉれぇをぉ呼ぶぅぅ♪』
『やきゅ~、地獄でぇ~、男を磨けぇ~・・・でしょ!?』
『よく知ってるね、えぇと広島さん・・・だっけ?』
『はい!そうです、岡本さん!』
『元気いいね』
『よくいわれますっ!!』
『だよね・・・』
『ところで、岡本さんは湯川くんの紹介って聞いたんですけど?』
『うん。あいつ、中学の時のオレの後輩』
『へぇ!』
『高校は違うから、今まであんまり会わなかったけど、でも』
『でも?』
『湯川がこんな面白いチームに入ってるならオレも入りたいから、テスト受けようと思ってね!!』
『意気込んでますね!!』
『おぉともさ!!』
『(二人で)ズンタタタァ~、ズンタッタッ、ダイヤモンドをつん裂いてぇ♪』

僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。

懸命にアップする岡本先輩だったが、慌てたループナインが練習場に着いたのは、それから一時間半も経ってからだった・・・。

すみません!岡本先輩!!

(続く)