その七十。
僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。
『ねぇ、湯川くん!!』
『何、広島さん』
『大瀬良さんが足クイッ、クイッをやめるんだってね!』
『二段モーションのことだね』
『可愛かったのに、もったいないね!!』
『可愛いのかはともかく、さらなる進化を期待しようね』
『めざせ、80勝!!』
『死んじゃうからやめようね』
『でも、いったいどんなモーションで投げるのかな、湯川くん?』
『まぁ、もっとスムーズな流れで球に力が加えられるようになるんじゃないかな』
『じゃあ、こんな感じかな?』
(と、ピッチングフォームを披露する広島さん)
『どう、湯川くん?』
『・・・』
僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。
そのフォーム、どう見ても山内泰幸のUFO投げみたいだけど、広島さん・・・。
『投げ方140キロ、出てくる球は120キロだよ!!』
『やっぱり山内だっ!!』