広島さん。

某カープ好きグループにてだらだら書きました。

その七十九。

僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。

だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。


『ねぇ、湯川くん!!』
『何、広島さん』
『もうこれは買ったよね!(雑誌を差し出す広島さん)』
週刊ベースボールの選手名鑑特集号だね。もちろんだよ』
『何冊買ったの?』
『え、1冊だけど』
『(驚いた顔で)たったの?』
『え、普通そうでしょ。広島さんは?』
『ウチは家族分で4冊でしょ、アイルランドにいるおばあちゃんと、伯父さん夫婦と従姉妹に送る分で4冊。それとリビングに置く用に1冊、保存用と痛んだ時の予備に5冊買うから14冊だよ!!』
『週ベの人が聞いたら泣いて喜ぶね』
『この後に出るカラー名鑑と、日刊スポーツのやつも同じだけ買うんだ!』
『一度広島さんちの本棚を見せてもらわないといけないね』
『(特集号をパラパラめくりながら)こうやってみんなの顔を見てると、早くシーズンが始まらないかなぁって思うよね!』
『いなくなった人がいて寂しい気持ちにもなるけど、でも新しく加わる人やチームを変わった人もいたりして』
『そうだね!今年はどんな風になるだろうってドキドキするよね!!』
『確かにね。少しづつだけど顔ぶれも変わって』
『なんといっても河田コーチの復帰!』
『二年目の佐々岡監督には心強い援軍だよね』
『澤崎さんの投手育成コーチ!』
『1軍で結果を出せなかったから左遷された、なんて云う人もいるけど、そうじゃないよ!故障に苦しんだ人だから、全体の底上げを任される畝3軍コーチの右腕、、じゃないや。畝さんは左投げ左打ちだから、左腕としてはうってつけだよね!(親が澤崎ファンな上、一緒にグランドに立った事があるから力が入る湯川くん)
『水本2軍監督がバファローズに行っちゃったのは寂しいね!』
『ヘッドコーチとしてパリーグでも活躍して、いつかはまた帰ってきて欲しいよね』
『梵さんも一緒にね!』
『そうか、梵さんも今季からバファローズだね』
『ライオンズの清川さんは巡回コーチからファーム投手総合コーチに昇格!』
『打線が注目されがちだけど、投手陣の底上げに期待だね』
『タイガースの建さんは今年から育成コーチに!』
『若トラ達を鍛え上げるんだろうね・・・』
『クリケンは今季もドラゴンズの打撃コーチ!与田監督の信頼も厚いね!!』
『・・・そろそろ選手の話をしようよ、広島さん』
『あ、嶋さんもライオンズで3軍で野手の(コーチ人事から帰ってこない広島さん)』
『・・・大瀬良さんの趣味ってスゴくない?』
『やっぱり湯川くんもそう思うんだね!!(大瀬良の話題には食いつく広島さん)』
『効果てきめんだね・・・でも大瀬良さんのアレは趣味なのかな?』
『だよねぇ!「趣味:野球について考える事」ってすごいよね!!』
『マジメかっ!って思わずツッコんじゃうよね』
『・・・湯川くん、大瀬良さんはマジメなんだよ?(少しむっとしている大瀬良ファンの広島さん)』
『あ、そ、そうだよね・・・(この辺デリケートだよな、とか思う湯川くん)』
『マジメな人にマジメって言うの、おかしくない?』
『そうだね、おかしいね・・・(ここは穏便に行こう、とか思う湯川くん)』
『その人の趣味に他人がなんかいうのは失礼だよ』
『ごめんね・・・(完全に地雷ふんじゃったな、とか思う湯川くん)』
『趣味なんて、人それぞれなんだから!』
『ごめんなさい・・・でも見てると、色々な趣味があるよね(話題をそらす湯川くん)』
『そうだよね!選手名鑑の【趣味】って、結構見てると面白いよね!』
『・・・よし、脱出』
『何かいった?』
『何でもないよ、広島さん・・・ゴルフとか、釣りとか、映画鑑賞とか。プロ野球選手でも趣味って普通の人が多いけどさ、時々「え?」って思うやつがあるよね』
『そうそう!赤松コーチの「カラオケ・ボウリング」って、「ひとりラウンドワンかっ!」って思わずツッコんじゃった』
『(人の趣味になんか云うのって失礼なんじゃなかったのかな・・・)』
『なんで困った顔してるの、湯川くん?』
『いや、別に・・・選手の方で面白いのは、今村さんかな』
『あ、それ私も思ったよ!「趣味・昼寝」って、なんかホントにカピバラみたいで可愛いよね!!』
「一応ほめてるって解釈するね』
『ケムナさんの「サーフィン・バスケットボール」は、いかにもハワイ生まれって感じだよね』
『宮崎にいた時もやってたのかもね。あと、投手だと岡田さんの「ボウリング・ビリヤード」っていうのが』
『ひとりラウンドワンかっ!(かぶせてツッコんでくる広島さん)』
『もう脊髄反射だね。野手だと、會澤さんのは随分変わってるよね』
『「時計の仕組みを勉強する事」って、引退したら時計屋さんになるのかな?』
『その理屈だと山本昌模型店の店主になっちゃうよね。今どきそこまでやる時計屋さんはいないと思うよ。そういう細かい事に集中して、野球の事を忘れるのが気分転換になるんじゃないのかな』
『ふーん(そういう細かさは全く理解できない世界に住んでいる広島さん)』
『あと、小園くんの「スポーツ」っていうのはざっくりしててスゴいよね』
『きっとなんでも出来るんだよ!』
『まあ運動神経は抜群だものね』
『カーレースとか、ダイビングとか、パラグライダーとか!』
『小園くんは007じゃないからそういう突飛な事はやらないんじゃないかな』
『じゃあカバディとか、スポーツチャンバラとかだね?』
『なんでそれが突飛じゃないと思ったのかは聞かないね』
『あと趣味以外でも、「思い出のシーン」っていうところも面白いよね!』
ノンタイトルの選手限定のやつね。大概は大学や高校での野球の思い出だけど』
『宇草さんは「何気ない日々、仲間と過ごした日々」だって!』
『なんかの歌みたいだね』
『マジメかっ!!(スゴく面白い事言った風な顔の広島さん)』
『宇草さんも大瀬良さんと同じくらいマジメなんじゃないかな』
『植田2軍バッテリーコーチの思い出もスゴいよね!』
『あ、そこは読んでなかったなぁ。どんなだったの?』
『「93年のシーズン後に西武にトレードに出された事」だって!!』
『なにか心の闇を感じるね』
『広島を出た喜び!!』
『正確には「出された」だと思うけどね』
『じゃあ、「広島を出された喜び」なんだね?』
『絶対違うと思うよ。あと、内川とかベイスターズファンとかだけじゃなくってカープの色々な人に怒られるから、僕が代わりに謝っておくね』
『(さらりと無視して)あ、そうそう!永川コーチの思い出がね・・・』


僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。

だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。



広島さんとはこの後、選手名鑑で延々と話しをしたんだけど。

ひとつだけ、触れてほしくない項目があったんだよね。

まあ、広島さんはそこについては一切話をしてこなかったから良かったんだけど。

何の項目かって?

それは、未婚の選手限定の『好きな女性のタイプ』。

もし万が一、広島さんに

『じゃあさ、湯川くんはどんなタイプの人が好きなの?』

って聞かれたら。

僕は大嘘つきになっちゃうからなぁ・・・。

ホント、広島さんがそこに触れなくってよかった。

 

 

 

 

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わざと触れなかったのかも知れないよw

(中の人)