広島さん。

某カープ好きグループにてだらだら書きました。

その八十。(地元愛スペシャル)

僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。

だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。

 

(お家で湯川くんに電話をかける広島さん。呼び出し音がしばらく鳴り)

『はい、湯川です』
『・・・あ、もしもし、湯川くん!TEAM26会員の更新したって聞いたんだけど!』
『え?』
『とぼけても無駄だよ、スラィリーがマーくんから仕入れた情報だから!』
『マーくん・・・田中将大?』
『何とぼけてるの、マリーンズのマーくんに決まってるよ!何だかわかんないけど、マーくんって、やたらスラィリーに私と湯川くんの事を聞いてくるんだって!!』
『湯川くん・・・あぁ!ちょっと待ったって下さいね、今替わりますさかいに(関西なまりのしゃべり方)』
『???(聞き慣れない湯川くんの話し方に違和感の広島さん)』
『電話やからね。私と声がよう似とるんで、近しい人でもよう間違えるんですよ』
『???(奇妙なイントネーションと若者らしくない口調に戸惑う広島さん)』
『私、アレの父親です』
『お、お父さん!?』
『はい、はじめまして。私が、あの「湯川くんのお父さん」ですわ!!(ひとりで爆笑する湯川父)』
『すみません!私てっきり湯川くんだって思ってて!!』
『いやいや、ええんやよ。広島鯉子さんやね?アレからよう話は聞いてますよ。リコちゃんっていうてもかまんかな?』
『あ、はい・・・』
『あんまり友達の話なんかせえへん子やけど、あんたの話は家でようしてるで!アレは口重たいし、女の子に上手も云われん子やけど、きばったってよ。親が云うのもあれやけど、気性はやさしい子やから、仲良うしたって!』
『はい・・・』
『ほいでもアレやね!「広島」って苗字でカープのファンって、どえらいね!オイサンもカープファンやから、アレから「同級生でこんな子がおる」って聞いた時は我が事みたいに嬉しかったよ!』
カープファンなんですか?』
『そうよ!オイサンがカープのファンやったから、アレもカープのファンになったんやがな!いわれんけど、オイサンの方がリコちゃんよりずーっと先輩やで!』
『そうなんですか・・・』
『まあ当たり前や、オイサン長い事生きてんねさかなっ!!(爆笑する湯川父)』
『はい・・・(珍しく気押されている広島さん)』
『そらそうと、今年のカープはまたエラい楽しみやね、リコちゃん!去年は投げ手がガタガタにいってしもたけど、今年はリコちゃんの好きな大瀬良くんも調子ええし、森下も、九里も順調やし!ルーキーの連中も楽しみな子ばっかりで!』
『そうですね、栗林さんとか、大道さんとか』
『それもそうやけど、森浦と小林よ!!あいらはオイサンとこの出身やさか!先に来てた林も今年はちょっとちょっと出てきてるし、もうどんなんなるんか知らんって思て、オイサン今から開幕が楽しみでよぉ!』
『はい・・・』
『特に森浦はねぇ、リコちゃん!あの子はオイサンとこの地元の子なんやだ!高校は奈良の方へ行ったけど、まあ地ぃの高校やったら甲子園行かれへんし、しゃあないわね。最初見た時ゃあカラも細いし、こら何ともならんのとちゃうんかいなぁ、とか思てたけど』
『そうなんですね・・・』
『ほいでもこないだのライオンズ戦は、どえらかったねぇ!!森下が満塁にしてしもてからマウンドへ放りこまれて。相手は栗山やし、こら良かっても2点、最悪4点やなぁ、って思てたら、ピシャーッって抑えて、オイサン鳥肌立ったわよぉ!!』
『はい・・・』
『その後はどっちも点の取れん、やにくさいかいだりぃ試合やったけどねぇ、林もよう打たんし!』
『はい・・・』
『まあ、ええわ。オープン戦でやいのやいの云うてもしゃあないさかね!あれで森浦、佐々岡さんも開幕一軍で行くって云うたし、オイサンからしたら上等やわ!まあ一年目や、大事に、無理させんと、そこそこやってくれたら上等やで』
『はい・・・・』
『昔のカープいうたら、新しい子ぉに無理させて、肘じゃあ、肩じゃあ、腰じゃあて、ようこぼったったからねぇ!オイサン、小林(幹英)やら澤崎みたいなんはもう二度と見たぁないわよぉ!!』
『はい・・・』
『まあ、何じゃかんじゃいうても正田さんからこっちゃ、カープでオイサンとこ出身の選手は出て来てないさか、楽しみやわ!!あいらが全部出てきて優勝でもしたら、もうこら何にもよう云われんわよ、リコちゃん!!』
『はい・・・』
『あ、悪りぃね、リコちゃん!オイサンばっかりしゃべくりやったわ。今、アレと替わるさか。まあ、アレと仲良うしたってよ・・・おーいっ!!おるんかぁっ!!リコちゃんや、リコちゃんから電話やどぉっ!!(奥に向かって叫ぶ湯川父)』

(バタバタした足音と何か文句を言ってるらしき声がして)

『・・・もしもし、替わりました!!』
『あ、湯川くん・・・本物?』
『いや、両方とも本物だけど。ごめんね、広島さん!!』
『湯川くんのお父さん、外国の人だったんだね!』
『違うよ、外国みたいに遠いところの出身だけど、日本人だよ』
『湯川くんのつもりで話してたらお父さんだったから、ビックリしちゃった』
『ホントごめん・・・。まーったく、なんで僕のスマホに勝手に出るんだか!!』
『お父さんもカープファンなんだね!』
『またなんか色々話したんでしょ?ウチの父さん、カープファンだって分かると、もう見境がないんだよ』
『いいよ、ウチのお父さんもおんなじだから!』
『あ・・・そうだったね。おんなじだ(クスッと笑う湯川くん)』
『そう、おんなじ!(つられて笑う広島さん)』
『で。今日は何なの、広島さん?』
『うん、その前にさ、湯川くん!!』
『何、広島さん』
『(やにくさいかいだりぃ)って、どういう意味なの?』
『へっ?・・・あっ(察し)』

 

 

僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。

だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。


 
やにくさい→ものすごく

かいだりぃ→しんどい、疲れた

そういう意味です。

森浦選手、小林選手、林選手。
応援してます!!