その五十四。
僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。
『ねぇ、湯川くん!!』
『何、広島さん』
『最高の母の日だったね!!』
『そうだね。全国のカープファンのお母さんには何よりの贈り物だったよね』
『ウチのお母さんもテレビの前で泣いちゃって』
『そうだろうね・・・で、広島さんは母の日はお母さんに何か贈り物はしたの?』
『まだだよ!!』
『まだって、もう過ぎちゃったよ、母の日』
『お母さんにはね、「リコ、あなたは絶対カープの花形選手のお嫁さんになるの。絶対になるの。必ずなるの。なれるなれないじゃなくって、なるの。それがお母さんには何よりのプレゼントだから」って云われてるんだ!!』
『あ・・・そう』
『頑張らないとね!!』
『そうだね・・・』
『お母さん!!あたしやるよぉ~っ!!(ガッツポーズでその場を去る広島さん)』
僕の同級生、広島さんは隣のクラスの人気者。
だけど、僕にだけ訳の分からない事をいいに来るのが玉に瑕。
いったい何をどう頑張るんだろう?